さて、いかがなものかと?

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ドラマ「わたしを離さないで」は耽美的な三角関係を綴った駄作か?!

TBSが満を持して送る新春ドラマ「わたしを離さないで」が話題になっている。ここ最近のドラマが好調なだけに、是が非でもこけられないTBSの執念が窺える。今作品を見て感じたことを、包み隠さずお話しよう。

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<引用元:http://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/intro/

 

原作を踏襲した秀作

綾瀬はるかが主人公を務めるこのドラマ、原作にはかなり忠実に作られている模様。今更説明するまでもないとは思うが、2005年に刊行された小説「Never let me go」を、日本人キャストによってアレンジしたものである。著者は、イギリスの“好きな作家20人”に名を連ねる、カズオ・イシグロ氏である。2010年には映画化されており、パイレーツ・オブ・カリビアンでお馴染みの、キーラ・ナイトレイが主役の一人を演じている。

映画自身がかなり高評価だったことから、今回のドラマも、余計な独創性さえ追求しなければ、視聴者にとって満足の行く結果となるだろう。主演俳優についての記述は省くとして、子役の一人に興味が湧いた。中川翼くんが非常に良い。演技もさることながら、表情が活き活きとしていて思わず画面に吸い寄せられる。最近売出中の某心君よりも一枚上手といったところか。

翼くんは、2016年の春に公開予定の映画、「僕だけがいない街」でも主人公の幼少時代を演じており、その才能に注目が集まっている。出来れば、このまま素直に成長して欲しいのもだが、何せ芸能界には魔物が棲んでいる。身体的特徴も変わるだろうし、数年後にはいなくなっているかもしれない。とにかく、健闘を祈る。

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<引用元:http://www.moviemail.com/film/dvd/Never-Let-Me-Go/

左がキーラ・ナイトレイで、右がキャリー・マリガン。

 

舞台は偽りのユートピア

原作を見る限り、それほど真新しい設定ではない。イシグロ氏の小説には他にも素晴らしい作品があり、中でも「日の名残り」(ひのなごり、The Remains of the Day)は“秀逸”の一語に尽きる。1989年に小説が出版され、1993年にはアンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンの共演により映画化された。第一次大戦後の英国を舞台に、執事として働く男の、職務と愛の間に揺れる「心の葛藤」を描いた作品だった。惜しくもアカデミー賞ノミニーに終わったが、心の奥底から時間差でさざ波が湧き上がってくるような、不思議な感覚に見舞われた映画だった。

だが、本ドラマの原作である「わたしを離さないで」に関しては、世間の好評とはいささか異なる思いを持っている。

 2005年に作られたハリウッド映画、「アイランド(The Island)」をご存知だろうか。ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンのダブル主演による、近未来(2019年)を描いたSF映画だ。「わたしを離さないで」は、アクションシーンこそないが、この映画を思い出させる要素が多分に見られる。基本的な流れは、生体移植のパーツを確保するためにクローンとして製造された人間が、騙されながらオリジナルの予備として生きるお話だ。どちらも、ユートピアとか天使とか、偽物の幸福を掴まされているところが共通している。

「アイランド」の原作は、カスピアン・トレッドウェル=オーウェン氏の手によるものだ。イシグロ氏の小説と似ているだろう?! こちらの映画は、「トランスフォーマー」のマイケル・ベイ監督が撮っているが、評判はそれほど良くない。

しかし、「アイランド」がSFアクションであるのに対して、「わたしを離さないで」は、クローンとして育成された若者の、生への執着と恋愛をテーマにしている。「アイランド」では、死にたくないがために施設を脱走し、逃避行の末にオリジナルを滅して生を勝ち取るのだが、「わたしを離さないで」には葛藤に対しての反発がない。運命(そう言っていいのかな)に従順で、作られた未来を受け入れているところに違いがある。

普通に考えれば、真実を知った人間なら生きることに必死になるだろう。他人のための生態パ-ツトしての意味しか持たない人生などは、まっぴらごめんのはずだ。それが「アイランド」での主題だった。

だが、「わたしを離さないで」では、他人のために肉体の一部を提供し、それがあたかも宿命と甘受して生きる彼らを、最後まで受け入れられない。要するに、「ただ殺されるためだけに生きている」ことに、怒りを感じないのが承服できないのである。臓器を提供するとはいえ、ある意味家畜と似ている感がある。それがお前らのやり方か?

2010年に映画が公開されるや、若者の間では人気を博したようだが、「ただ生きる意味を持たない若者を見ているようだ」との酷評も受けている。「普通」の意味が曲がって理解されつつある現代において、このドラマは若い世代に共感を呼びそうだ。個人的にはブーイングが起こった方が面白いのだが。

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引用元:http://www.mondorana.jp/student/nakagawa_tsubasa.html

中川翼くんです。以後、お見知り置き下さい。

 

終わりに

たまたま、点けたテレビに翼少年が写っていたので見てしまい、記事にするに至ったが、普段ならこの手の暗いドラマはあまり見ない。もし、息子がいれば、翼君のような少年に育って欲しいといった願望が鎌首をもたげたためか、はからずも二話も見てしまった。ドラマ「白夜行」以来の陰鬱とした役を演じる綾瀬はるかが、そこはかとなく気の毒に思える。

それはそうと、「Never let me go」でキャシーを演じたキャリー・ハンナ・マリガンだが、なぜかタレントのトリンドル玲奈に似ている気がする。二人共、ルーツはヨーロッパにあるのだから、似ていても何ら不思議はないのだが、表情によってはそっくりなので驚いた。

このまま、順調に視聴率を稼げればよいのだが、さて今年のTBSやいかに!