さて、いかがなものかと?

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「いかなご」と「きびなご」の違いを調べていたら、ただの「なご」繋がりではないことがよく分かった

 

はてなキーワードでは、なぜかいかなごが、「食」の検索結果で一番目に表示されている。春の風物詩として知られるこの「いかなご」だが、どのような食べ物かと訊かれると、「?」マークばかりが浮かんでくる。

なにはともあれ、調べてみることにした。

 

 

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いかなごの正体は?

 

写真を見ればお分かりいただけるように、魚だね。

もっとも、年がら年中とれるわけではなく、漁が解禁になるのは2月で、3月の下旬にならなければ市場には並ばない。ちょうど、この記事を書いている今この時期が、漁の真っ盛りになるのだろう。

ところで、いかなごってどんな魚か分かるかな? 写真からはサヨリのようにも見えるが、口が長くない。それに、実際にこの魚を魚屋で見ることはない。

また、これに似た名前のものに、きびなごってのがあるが、こいつのこともついでに知りたいと思う。

これが結構面白いので、できれば最後までお付き合い願いたい。

 

どんな魚かと訊かれると、「さかなくんが好きそうな魚」のようだ。なるほど、名前にはいささか面白い由来がある。

Wikipediaで調べても、名前の由来までは書かれていなかった。しかし、探せば意外とあるもので、かなり親切に説明している図鑑があった。それによると、いかなごを漢字で書くと、玉筋魚とか、如何子となる。そういえば、玉袋筋太郎って芸人がいたが、ひょっとして親戚筋か。

 

由来や語源を見たところ、これは関西での呼び名だそうだ。広くは兵庫県で使われている。関東ではコオナゴ(コウナゴ)が一般的だ。

 

その昔、たくさんとれる小さな魚がいかなる魚の子であるか分からないことから、誰かが如何子と書いたのが、いかなごの名前の始まりといわれている。

 

まあ、名前の由来は諸説あるので、話半分に聞いておいてもらいたい。

それに、もしこれがタコの子だったら、何のタコか分からないからといって如何蛸と書いて、いかたこと読むだろうか? 洒落にもならんな。先ず信憑性はない。カマスの幼魚という人もいる。

 

いかなごは、その大きさによって呼び名も変わる。

 

 東京ではコオナゴと云い、六月上総から来るものはコオナゴカマスと云い、佃煮としてはカマスジャコと云って売っている。「図説有用魚類千種 正」より。

 

大阪ではカマスゴ(梭子魚子)。これはシュロや藁で編んだ叺(かます)に入れて運んだため。「広辞苑」より。

 

京都や大阪でも、非常に小さなイカナゴのちりめんを「かなぎ」と呼ぶ。

 

関西、兵庫などでは生まれたばかりのものをシンコ(新子)と呼び、漁期初めの非常に小さいものはコナと呼ぶ。

 

成長したものをフルセ(古せ)と呼ぶ。北海道ではオオナゴと呼ばれている。

 

体調は20cmほどになるが、鮮魚として出回ることはない。ある意味、可哀想な運命を背負っている。なぜなら、加工品(くぎ煮やしらす干し)として売られることがほとんどで、その姿を見かけることがないからだ。

20cm以上になるものをメロウド(一部の地方では)と呼び、刺し身にして食べることがある。この時は魚の姿全体を見られるが、それは魚をさばく人に限られ、客の目に映ることはない。

ちなみに、いかなごを、醤油と砂糖と酒を入れて煮込んだものをくぎ煮と呼ぶ。これは、煮られた魚の姿が古くて錆びたクギに似ていることから、この名が付いた。

加工品としての需要が多いこともあり、味はそれほど良いとは言えない。

ブリやマグロのように持て囃されることはなく、サンマやサバほどのポピュラーさもない。いかなごは、認知度の低い、日陰者のような魚だった。

 

 

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きびなごの正体を見た

 

いかなごを知ったついでに、きびなごのことも知っておこうと思う。

そもそも、きびなごいかなごは何がどう違うのか? これも、写真を見れば一目瞭然だ。魚だな。間違いない!

名前の由来は、鹿児島で帯のことを「きび」といい、この魚の体に走っている線が帯に見えることから、きびなごと付いた。なごは、「小さな魚」という意味だ。

他には、岡山県と広島県を合わせた地方を吉備と呼び、そこでよくとれる小さな魚だから、きびなごとなった。

 

その正体は、イワシの一種だ。

 

いかなごに比べると需要が高く、かなり人気の魚である。元来、イワシは足が早く(傷むのが早いこと)、そうそう新鮮なものが店頭に並ぶことはない。水揚げ量はあっても、地元で消費されるのがほとんどだ。

海の中では群れで行動するので、大型の魚の格好の餌食になる。カツオ漁などで「ナブラが立つ」というが、これは小魚が群れていることを指し、そこには大型の魚がいるというサインでもある。きびなごは、このカツオ漁の撒き餌にも使われる。

 

もちろん、食用としても一流で、値段は安いが色々な調理法が楽しめる。身が柔らかく、骨が剥がしやすいので、指を使ってでも体が裂ける。

人気の料理は刺し身だが、天ぷらに良し、たたきにも良し、つみれにしても美味しい魚だ。成魚でも10cmほどにしかならず、頭から尻尾の先まで食べられる。

新鮮なものなら臭みもなく、一夜干しともなればアジの開き以上に旨味がある。

 

 

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一匹を丸ごと食べられるので、栄養面においても高い評価を受けている。

きびなごは、誰からも愛される隠れ人気キャラのような魚だった。

 

 

終わりに

 

魚か肉か、どちらが好きかと訊かれれば、個人的には肉が好きだ。食べたいのは肉だが、サバやアジの干物もよく食べる。特に、関サバの干し物にはちょっとうるさい。

いかなごを食べるならちりめんにしたようなものがよく、きびなごなら天ぷらがいい。

光物の刺し身には、どうも箸が伸びないが、タタキになれば結構行ける。

いかなごもきびなごも、安価で手に入る魚だが、鮮度を問うならマグロ以上だ。これがなかなかバカにできない。

魚食離れが進む日本だが、たまには魚もいいものだ。少なくとも、肉食よりは健康的といえるだろう。太り難いのも魚食で、特にこのきびなごはおススメだ。

 

そういえば、肉食女子がいる一方で、そろそろ魚食女子が出て来てもいい頃だ。どんなタイプの女性だか、想像するだけでも面白い。