時の立つのは早いもので、あの「トップガン(Top Gun)」から31年が過ぎました(今回の投稿も久しぶりです)。
トム・クルーズを思い出す度に、ケニー・ロギンスの歌うデンジャー・ゾーンが、今も耳の中でこだまします。
それほどの演技力があるわけでもないのに、この30年の間、ハリウッドの第一線を走り続けているトムさんが、またまた新作映画を引っ提げてやって来ることになりそうでう。
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役者でも、主役がある程度の年齢になれば、新鋭の俳優が抜擢されるはずですが、トムさんだけはまだ現役を続行中でございます。
今回は、ハリウッド映画の中でも伝統と目されているホラー作品、「ザ・マミー(The Mummy)」についてお話ししましょう。
日本でマミーと言えば、乳酸菌飲料を思い出しますが、英語ではミイラを意味します。
さて、どんな映画となるのでしょうか?
トム・クルーズ主演映画
トムさんの主演作と言えば、「卒業白書(Risky Business)」から「MI:ミッションインポッシブル」まで、ほぼ全ての映画が話題になりました。
一見、アクション俳優のようですが、「7月4日に生まれて(Born on the Fourth of July)」のような、アクションとは無関係な映画にも出演しています。
29年前にダスティン・ホフマンと共演した映画、「レインマン(Rain Man)」は、当時アカデミー賞4部門を獲得しました。
数々の映画賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞では3度の栄冠に輝いています。
本質的にはアクション俳優ではなく、若者向けの作品で名を上げた、トレンディ俳優でした。
賞を取るほどの実力を持ちながらも、オスカーまでには今一歩手が届いていません(3度のノミネーション)。
とは言え、「アウトサイダー(The Outsiders)」ではただ吠えていただけの男の子が、その五か月後には、アメリカ中の若者を熱狂させるニュースターへと変貌します。
その後は、ただスター街道をひた走り、「トップガン」で不動の地位を築くのでした。
個人的に好きな作品は、「ザ・エージェント(Jerry Maguire)」です(ある意味、トムクルーズらしさが滲み出た作品です)。
そんなトムさんが、また新しい作品で主演することになりました。
実は、2017年には2作品が公開されるのですが、今回ご紹介する「ザ・マミー」の方が少し先になる予定です。
日本でも絶大な人気を誇る彼だけに、この映画もヒットが期待されています。
「ザ・マミー(The Mummy)」はミイラです
日本でミイラ映画と聞けば、「ハムナプトラ」を思い出すところです。
ところが、ミイラが登場する作品は、ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインなどと並んで、ハリウッドの伝統的なホラー映画として扱われています。
実際に、ユニバーサルスタジオで作られた過去の伝統的ホラー作品のメインキャラクター(ミイラ、ドラキュラ、狼男、フランケンシュタイン)は、作品の枠を超えて、どの世界にも登場することができるようになりました。
それはあたかも、マーベル作品(マーベル・シネマティック・ユニバース:Marvel Univers)の中で、それぞれのヒーローがどの作品にも自由に登場できるのと似ています。
ユニバーサル初の試みは、2013年に発表されてから、2017年に公開予定の「ザ・マミー」でようやくスタートを切ることになりました。
今後は、ジョニー・デップが透明人間を演じたり、ラッセル・クロウ扮するジキル博士が登場したりします。
ここ最近、ユニバーサル・ピクチャーズは、マーベルやディズニーに多少水を開けられた感があり、その距離を埋めるためにも新しい構想が必要だったのでしょう。
そこで、ホラーを生み出すクリーチャー(モンスター)の世界観を統一し、時代やストーリーを超えて、どの作品にでも登場可能にしたのです。
マーベル・コミックスでは、ミッドガルドのような異世界でさえ、時空を超えて行き来できます。
それからすれば、同じ地球に棲むモンスターが、同じ空間を分かち合うのは不思議ではありません。
たとえ、古代エジプトに作られたミイラとは言え、現代の博物館で展示されている限りは、現代に甦ったとしても辻褄は合います。
そもそも、ホラー作品そのものが荒唐無稽な創作なので、そこに何が登場しても驚きではありません。
ただし、ミイラがフランケンシュタインと戦うとか、「パシフィック・リム」程度の安っぽい映画にはなって欲しくはないですが。
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「ザ・マミー」を見るべき三つの理由
まず、一つ目の理由は、今作がトム・クルーズによる三本目のホラー作品に当たることです。
もっとも、一本目は「レジェンド/光と闇の伝説」でしたが、これはファンタジー色の濃い作品でした。
二本目の「インタビュー・ウイズ・ヴァンパイア」では、トムさん自らがヴァンパイアに扮するなど、それまでのイメージを一掃するような、チャレンジ精神旺盛な作品として知られています。
しかし、今作ではただの人間でありながら、現代に甦った魔力を扱うミイラに立ち向かいます。
常識的に考えれば敵わないはずですが、どのようにして戦うのかに興味がそそられますね(とは言え、この映画でもトムさんは元兵士の役ですが)。
体術を駆使して倒せるような相手ではなく、スパイ色を封印した中でのアクションが、また見ものです。
二つ目の理由は、この作品を書いたのが、「プロメテウス」、「パッセンジャーズ」、それに「ドクター・ストレンジ」の脚本家である、ジョン・スペイツ(Jon Spaihts)氏の手によるからでしょうか(?)。
今、ハリウッドで最も注目されているスクリーンライターの一人であり、上昇気流の真っ只中にいるヒットメーカーです。
近い将来、必ず売れると期待される映画のシナリオばかりを集めたリスト(ブラックリスト)に名前が載ったことで、一躍脚光を浴びた作家でもあります。
さらに、もう一人のシナリオライターとして参加している、クリストファー・マッカリー(Christopher McQuarrie)氏。
彼は、「ジャック・リーチャー」や「オール・ユー・ニード・イズ・キル」など、今やトムさんの映画にはなくてはならない存在です。
1995年作の「ユージュアル・サスペクツ」では、アカデミー脚本賞の栄誉に輝き、2018年公開予定の「MI:6」でも脚本家を務めています。
三つ目の理由は、主演女優であるソフィア・ブテラさんの存在です。
彼女は、スタートレックシリーズの最新作、「スター・トレック BEYOND」で、エイリアンの女性戦士であるジェイラを演じて好評を博しました。
特殊メイクを施しての役が多いようですが、身体能力の高さを生かして行う演技には定評があります(5歳からバレーの英才教育を受けていたそうです)。
2014年に公開されたスパイ映画、「キングスマン」では、敵方の女暗殺者を演じていました。
コケティッシュな容姿ながらも、顔色一つ変えずに相手の命を奪う姿には、さすがに嫌悪感を覚えたものです。
その彼女が、今作ではトムさん相手に戦う、妖艶なミイラ(包帯を巻いていないミイラのようです)に扮しています。
監督は、「People like us(日本未公開)」以来、映画では二作目のメガホンをとる、アレックス・カーツマン(Alex Kurtzman)氏が行いました。
彼は、監督としてよりも、脚本家やプロデューサーとしてのキャリアが長い映画人です。
テレビシリーズ「ハワイ50」や、「アメイジング・スパイダーマン2」、さらに「トランスフォーマー」の初期作でもプロデュサーを務めました。
この映画の見どころは……、それはトレーラーを見て想像していただくのが良さそうです。
この下に英語版のトレーラー(この方が迫力がある?)を載せておきますので、どうぞ楽しんで下さい。
「ハムナプトラ」はまだコミカルさの残るファミリータイプの映画だったのに対して、「ザ・マミー」はストイックなホラーファンを魅了する作品(?)と言えそうです。
終わりに
「アメリカン・メイド(American Made)」の公開を2017年の9月に控えて、「MI:6」は、このまま順調に行けば、2018年に公開の予定です。
「ザ・マミー(The Mummy)」は、2017年の6月9日にオープンが決定しており、今後は日本での公開が待たれます。
ハリウッドスターとしては、最も来日回数の多いトムさんですが、55歳(7月3日生れ)になる今も、その人気に衰えは見られません。
トム・クルーズ主演最新映画、「ザ・マミー(The Mummy)」は、その理由に関わらず、ファンの期待を裏切らない作品、かもしれません。
日本での公開に、乞うご期待!
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こちらはこの夏おすすめのホラー作品です。
アメリカでは現在公開中ですが、なかなか苦戦しているようですね。