Google Homeとは?置物と会話するのが日常になる時代
Google Home(グーグルホーム)が、年内に販売されることになりました。
まだ、はっきりとした時期までは発表されていませんが、年末には店頭に並ぶでしょう。
Amazon Echoに少々水を開けられた感のあるGoogleが、このデバイスにより巻き返しを図ります。
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私自身は、ローテクとハイテクの入り混じったような人間です(誰もかな?)。
しかし、新しいテクノロジーが開発されたからといって、むやみに飛びつくようなことはしません。
むしろ、世間に十分浸透した頃合いに、おっとり刀で覗いて見る程度です。
Google Homeが発売になるからと言っても、長蛇の列に並ぶことはないでしょう。
ただ、このデバイスが普及すれば、多くの人の日常が激変することは明らかです。
その反面、人間が怠惰に、また傲慢になることも考えられます。
今回は、この一風変わったデバイスについて、思うところを綴ってみました。
Google Homeとは?
gizmodo:参照
デバイスができること
Google Homeができることを考えてみました。
1. スケジュールの管理
様々なスケジュールを管理できます。
それも、一々スケジュール帳を開くことも、ペンを握る必要もありません。
しかも、正確無比です。
ダブルブッキングなどの人為的なミスは無くなります。
一日を分単位で行動する人にとっては、ある意味、人間の秘書よりも有能です。
2. 情報の伝達
連絡はもとより、天気、交通、ニュース、株価、その他の情報を瞬時に提供します。
店の予約なども、時間さえ指定すれば、あなたに代わって取ってくれます。
リマインダーとしての機能は、どんなアラームシステムよりも優れています。
3. 家電のハブとなる
接続さえしておけば、家電製品に触れることなく動かせます。
部屋の電灯、PC、TV、オーディオ、エアコン、空気清浄機など、普段はアナログで使用している機械が、全てGoogle Homeによって管理できます。
これ以上にも、電子レンジの操作が可能になり、IH調理器と接続すれば、火の調節を心配する必要もなくなるでしょう。
健康管理のアプリと接続すれば、体調管理のほか、人間ドックにかかることもなくなるかも知れません。
筋トレやエクササイズの情報を検索するだけで、部屋にいながらにして、オリンピック強化選手並みのトレー二ングもできます。
身障者の方にとっては、非常に便利な機械になるでしょう。
しかも、どこに触れることもなく、ただデバイスに話しかけるだけで事足ります。
可能性は「無限」と言えるのですが、要はどのようなデータをインプットするかです。
置物と会話する時代
映画の中では、よくこんな光景を目にします。
精神病棟で、壁に向かってしきりに話しかけている患者。
壁は何も話しませんが、患者の目の前には、きっと想像上の相手がいるのでしょう。
Google Homeを使用しているユーザーで、はたして何%の人が、この精神病棟の光景を思い出すでしょうか。
もちろん、Google Homeは返答してくれます。
要求には速やかに、そして正確な答えを提供します。
しかし、生命を持たない、ただの無機物に話しかけていることに、何ら変わりはありません。
なるほど、とても便利な機械です。
メモ帳よりも頼りがいがあり、リマインダーよりも優れています。
とは言え、まだ訊かれたことに応えることと、プログラムされたことを伝達する機能しか備えていません。
もし、人がコマンドを与えなければ、いかにGoogle Homeと言えど、ただのモノ言わぬ置物です。
たとえ、デバイスから言葉が発せられたとしても、機械と会話をすることになります。
あなたの部屋の、調度品の上に置かれた、小さなプラスチックの塊とです。
とは言え、今後の技術革新によっては、あなたの会話や思考パターンを読んで、デバイスの方から話しかけてくるかもしれません。
ちょうど、この映画に登場した、彼女のように。
この作品が公開されたのが、今から4年前です。
現在のGoogle Homeでは、サマンサ(スカヨ扮するAI)ほどには機能しません。
しかし、今後は、言葉から相手の人格を読み取り、その人にとっての最良のパートナーとなる、次世代のAIが生れるかもしれません。
ただし、そこには大きな落とし穴があります。
AIが人格を持つことで懸念されること。
人間が傲慢になることと、技術的特異点です。
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ますます傲慢になる人間
Google Homeにせよ、Amazon Echoにせよ、相手はプラスチックと金属でできた機械です。
あなたがGoogle Homeにコマンドするときは、それこそ犬に話しかけるよりも、ストレートで冷たい命令口調になるでしょう。
当然、話している相手は機械であり、あなたの命令に逆らうことはありません。
しかし、そんな命令ばかりを毎日繰り返していると……。
習慣とは、そら恐ろしい力を秘めています。
人は、同じことを21日間続けることで、それを習慣化できるのです。
毎日使うGoogle Home、それも「あれをしろ! これをしろ!」との命令ばかり。
さて、そんな人が増えた社会は、これまで以上に正常を保っていられるでしょうか?
人は、何事にも従う部下を持つと、必ず傲慢になります。
なぜなら、
傲慢とは、敬意も謙虚さも無く、何の根拠も伴わないタイプの自信。
「金持ち父さん 貧乏父さん」
だからです。
それでなくても、傲慢症候群などという言葉が生まれたほどです。
Google Homeのようなデバイスが流通すれば、今以上に傲慢な人間は増えるかもしれません。
技術的特異点の始まり
スティーブン・ホーキング博士も、イーロン・マスク氏も警告している、技術特異点。
飽くまでも、SF世界の出来事のように感じてしまいますが、もはや空想ではありません。
どれだけ慎重に開発しようが、プログラミングを行うのが人間だろうが、AIが自己進化を行えるようになった時点で、これは避けられない問題です。
すでに、Google Homeには、そんな機能(自己進化)の一部が組み込まれているでしょう。
言葉だけで、家庭内の雑事が処理できるようになれば、これほど便利なことはありません。
しかし、その裏には、AIが人間の知能を超えるといった、未知の危険性も秘めているのです。
彼らに反対する意見もありますが、こればかりはなってみないことには分からず、なったときには遅いのです。
もっとも、イーロンマスク氏は次のようにも言っています。
脳に対する広帯域幅のインターフェースが実現できれば、人間と機械のインテリジェンスは共生できるようになるでしょう。コントロール問題や利便性問題も解決されるかもしれません。
要するに、脳にコンピューターチップを埋め込んで、サイボーグ化すること。
現実的には可能でしょうが、倫理的にはクリアすべき問題が山積みです。
人間の脳とコンピュータを直結する「ニューラル・レース」(neural lace、直訳:神経のひも)によってその効率を高められる。
これからすると、近い将来には、Google HomeやAmazon Echoがよりコンパクトになって、脳とダイレクトに接続する、ヘッドフォンのような形になるかも知れませんね。
それこそ、攻殻機動隊の世界です。
終わりに
人間は、多少不便な方が頭を働かせます。
便利さを追求するからこそ、頭脳を働かせるのですが、便利さを手に入れた途端に、今度は脳を使わなくなります。
もし、これまで以上に脳を使いたいのであれば、少しの不便さを残しておくに限ります。
さて、Google Homeの発売はいつになるのでしょうか?
その日に報道される、ニュースが今から気になります。